神奈川沖浪裏/The Great Wave off Kanagawa


浮世絵の傑作へのオマージュを込めて 


「神奈川沖浪裏」は、葛飾北斎の浮世絵揃物『富嶽三十六景』の中でも、最高傑作と呼ばれる作品の一つです。海外では「The Great Wave」という名前で愛され、クロード・モネ、フィンセント・ファン・ゴッホ、カミーユ・クローデル、グスタフ・クリムトなどの画家だけでなく、ジャコモ・プッチーニのオペラ「蝶々夫人」やクロード・ドビュッシーの交響詩「海」など、作家や作曲家にも多大なインスピレーションを与えました。

Default Alt-Tag

現在、原版の複製が東京国立博物館をはじめ、大英博物館(ロンドン)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、国立美術館(アムステルダム)など、世界中の美術館のコレクションに収蔵されています。「神奈川沖浪裏」は、さまざまなプロダクトデザインのモチーフとして使用され、至るところで目にすることができます。日本では、パスポートや千円紙幣のデザインにも使用されていますが、最近では絵文字まで登場し、傑作名画としてユニークな地位を確立しています。

「浮世絵」の巨匠 


天才浮世絵師、北斎の傑出した才能は、卓越した技法、斬新な構成力、自然を捉えた表現力に表れています。「神奈川沖浪裏」は、北斎が30年の歳月をかけて波の造形を追求してきた集大成とも言える作品です。迫力ある構図と洗練された様式性が織り成すドラマは、他の追随を許さないほど圧倒的です。北斎は、この作品で伝統と革新を融合させ、古くから伝わる日本の木版画の技法に、ドイツからの輸入品で、当時の日本では入手困難だった顔料の「ベロ藍」 、すなわちプルシアンブルーを組み合わせました。「プルシアンブルー」は色あせしにくいのが特徴で、そのあざやかな発色によって、波のドラマチックで立体的な効果を際立たせています。

北斎は少年時代に木版画を学びました。当時の日本では、絵の具は高価で手の届かないものだったため、手頃に文字や絵を印刷できる木版画という技法が普及しました。これによって、「浮世絵」が広く流通し、人気を博すことになったのです。絵に情熱を注ぎ続けた北斎は、さまざまな師匠に弟子入りして絵を学び、オランダの風景画を研究し、ヨーロッパの中心遠近法と線遠近法について並外れた知識を身につけました。鋭い観察眼と日々の暮らしへの愛にあふれたまなざしを持ち、生涯を閉じるまで、庶民の日常の姿をあらゆる角度から切り取って描きました。現在、北斎は日本と西洋を結んだ最も重要な文化の仲介者と考えられています。生涯にわたって約3万点もの作品を描き続け、そのスケッチ画集は現在の漫画の先駆けとも言われています。

ベーゼンドルファー グランドピアノ 「神奈川沖浪裏」



本特別モデルは「神奈川沖浪裏」のスケールをピアノの屋根のサイズに合わせて拡大し、特殊な印刷プロセスを用いて、モチーフをピアノの大屋根の内側に転写しました。

Default Alt-Tag
Default Alt-Tag
Default Alt-Tag
Default Alt-Tag

北斎画の色のテーマを継承し、ピアノの側板の内側と椅子のクッションにはプルシアンブルーをあしらっています。ピアノのフレームと、譜面台に施された葛飾北斎のサインには赤が使用され、日本文化において赤の持つ特別な意味が反映されています。赤は太陽を象徴すると同時に邪気を払う色とも考えられています。また、鳥居(伝統的な日本の門)に赤が使われているのも、ポジティブなエネルギーを守るためだと言われています。2本の柱と2本の横木で構成される鳥居は、神社の入口に建てられ、日常から精神世界(非日常)への移行を象徴しています。青と赤の相互作用は、激しさと調和、活気と静けさのコントラストを作り、ダイナミックな緊張感を生み出します。214VCサイズのコレクターズアイテムとして、16台限定生産となります。1台1台にシリアルナンバーが刻印された真鍮のプレートを施しています。ベーゼンドルファー グランドピアノ 「神奈川沖浪裏」は、唯一無二の浮世絵の傑作へのオマージュを込めて作られたものです。音楽と同じように時代を超え、直感に訴えかけ、私たちを惹きつける北斎の絵。それは、自然と人間の間の複雑な関係、そして異文化交流の重要性をあざやかな筆致で描いています。それぞれの個性を認め、尊重し合うことで、お互いにインスピレーションを与え、個人として成長することができるーつまり、最終的に全員に恩恵をもたらすのです。 
 

214 cm
151 cm
102 cm
214 cm

重量 367kg
88 鍵盤
 

Icon
共鳴箱の原理
詳細
ピアノの原理は、響板だけが音の生成に関わっているわけではないという点から、バイオリンのボディと非常によく似ています。ケースの芯は、内側の形状に沿って曲がるよう、ベーゼンドルファーの職人が独自の手法で溝を掘った、厚さ10ミリの柾目材でできています。これはベーゼンドルファー独自の方式です。キーを押すと、組み合わせたスプルース材の集合体に音響が伝わり、ピアノ全体が一つの共鳴箱になって、ピアニストの演奏に応えます。ベーゼンドルファーの際立って豊かな音色、輝きを放つサウンドはこうして作られます。このような複雑な構造は、ウィーンの伝統的な工法の一面を表しています。
Icon
繊細なピアニッシモから力強いフォルテッシモまで
詳細
ベーゼンドルファー・グランドは、最高レベルのコントロール能力を持っています。アーティストと技術者が共同で開発したベーゼンドルファーのアクションは、独自の仕様に基づいて製作されています。このアクションが、精緻な演奏から生まれる、素晴らしいアーティキュレイションを伝える役割を果たします。演奏をコントロールする力です。
Icon
独自の低音弦
詳細
低音弦はすべて、ベーゼンドルファー独自の方法で巻き上げています。鋼弦を芯にして、1層あるいは2層の銅線を巻き付けています。慎重に巻き上げた弦は、豊かな響きとぬくもりあるベーゼンドルファーピアノならではの低音を生み出す大切な要素です。
Icon
独立したカポダストロ
詳細
ベーゼンドルファーはピアノメーカーで唯一、着脱式の独立したカポダストロを高音部に採用しています。これによって、最も正確な高音部の調音が可能になり、ベーゼンドルファー本来のサウンドを代々伝えることができるのです。世代を超えてベーゼンドルファーの個性溢れる音を保つことができます。
Icon
昔ながらの砂型鋳造
詳細
ベーゼンドルファーでは、砂を使用する伝統的な手法でフレームの鋳造を行っています。フレーム材はオーストリアで製造され、工場の屋外で6か月間休ませます。弦には20トンの張力がかかりますが、休ませることにより、鋳造過程で生じる歪みを解消し、弦の過大な張力に耐えることができるようになります。安定性がより一層高まります。
Icon
オープン型ピンブロック
詳細
極めて安定した音-ベーゼンドルファーのオープン型ピンブロックは厚さ7ミリの柾目メープル材を3枚、それぞれ木目が交互になるように貼り合わせています。これをベースとなる赤ブナ材の基盤に固定すれば、弦を結び付けるピンを確実に保持する土台ができあがります。最上面は厚さ1・5ミリのウォルナット化粧板で仕上げます。ベーゼンドルファーのオープン型ピンブロックは、文字通り音の基礎となるパーツです。
Icon
1本ずつ弦を張る
詳細
弦は職人が一本ずつ結び目を作り、ピンブロックに張ります。それによって、時間と共に調律が安定し、何よりも調整しやすくなります。
Icon
自然の手に委ねる
詳細
ベーゼンドルファー・グランドの基本となるのは、自然乾燥を行い、楽器に適した木材であることが確認されたスプルース材です。一年を通して、太陽や風、厳しい気温の差に晒すことで、ゆっくりと、最終目標である共鳴する木材に変化して行きます。ベーゼンドルファーでは、楽器に適したスプルース材をどのメーカーよりも多く、80%以上使用しています。製作期間に自然乾燥の過程も含めれば、ベーゼンドルファー・グランドがお客様のお手元に届くまでに6年を要することになります。ベーゼンドルファー独自のサウンドを生み出すための、長いけれど大切な時間です。
Icon
一台ずつ異なる仕上げ
詳細
当社は年間300台という、少量生産体制を取っているからこそ、お客様それぞれのご要望にお応えすることができます。高級な木地仕上げから、お好みの色、あるいはお客様ご自身のデザインで、熟練のクラフツマンが丁寧に彫刻を施したエンブレムまで、どんなことでもご希望に沿うことができます。ピアノの製作にかかる前に、ベーゼンドルファーの職人が色見本を用意し、お客様のデザインを伺いながら、共同で作業を進めます。お客様の確認を頂いてから、お客様ご自身のように、個性豊かな一台だけのピアノが製作されることになります。
Icon
オーストリア製
詳細
ベーゼンドルファー・グランドは投資対象としてだけでなく、世代を超えて受け継がれる、価値ある逸品です。練達の技を持つ当社のクラフツマンが、あのベーゼンドルファーの個性溢れる音色、ダイナミクスそして表現力を備えたサウンドに秘められた美を巧みに表現します。何世代もの手を経て完成した技の頂点。ベーゼンドルファーのクラフツマンが1年がかりで製作に当たります。ピアノに指を触れた瞬間、職人の個性を感じていただけるでしょう。
Icon
グランドピアノ
詳細
1828年以来2世紀近くに亘り、ハンドメイドの伝統、美、ウィーンの魂にいささかも妥協しないオーストリア製ピアノとして製作してきました。ベーゼンドルファー・グランドに何か制限があるとすれば、それは周囲の環境です。私たちがすべての点を管理しています。キーからキーへ、実際には見えず、聴こえなくても、演奏される音楽の微妙なニュアンスを伝えてくれることでしょう。
Icon
ヴィエナ・コンサート(Vienna Concert)
詳細
新シリーズのヴィエナ・コンサートは、煌く音色、エネルギッシュなダイナミクスと、独自のアクションメカニズムを持った、次世代のサウンドを紡ぎだすピアノです。
Icon
ディスクラビア・エディションモデル
詳細
巨匠によるピアノの名曲を、指一本動かさずにお楽しみいただけます。ピアニストにも休息を。ベーゼンドルファー・ディスクラビア・エディションモデルは、どんな演奏も驚くほど正確無比、忠実に再生します。ラフマニノフ本人の演奏を聴く、アルトゥール・ルービンシュタインの神秘的な解釈に思いを巡らせる、あるいはオスカー・ピーターソンの作品でグルーブを味わう-ベーゼンドルファーのディスクラビアモデルは、様々なスタイル、ジャンルから1、000曲を超えるライブラリーを用意しています。中心となるのは、ヤマハが開発した、先進のディスクラビア・エンスパイア自動演奏技術です。ピアニストの皆様なら、ライブラリーを楽しむだけでなく、ご自身の演奏を簡単に録音し、再生することができます。
カメリア/Camellia
セセッシオン / Secession